08. 別れのコト


長く生きるほど、たくさんの別れを経験するものです。そして近年は後を絶たない災害により、たいへん多くの方が亡くなられています。事件、事故、災害。犠牲者の方を襲う突然の恐怖と死。その現実を受け入れる時間も許されない遺族の悲しみの深さは計り知れません。



誰しも大切な人と過ごす幸せな時間は永遠に続いてほしい、そう願うものです。しかし、どんなに大切に思っていても歯車が合わなくなった瞬間、あっという間に大切な人はこの世から居なくなってしまう。


その現実からは、誰一人として逃げることはできません。どんなに時間が経とうが悲しみは消えることなんて無いのだろうと思います。それはたとえ笑顔で思い出話をしていたとしてもです。



「死んだら無になる」と考える方が多い現代に、わたしは「死後のセカイはあり、個性として存在し続ける」と声を大にして言いたい。


悲しみを埋めるためだけの言葉ではダメなのだと伝えたい。これは送る人、送られる人、どちらにとっても無関係の話ではなく、とても大切なことだと思うからです。



「もういちどでいい。逢いたい」


新しい一歩が踏み出せない時、残された人間はどこかで区切りをつけることも必要となるでしょう。「死んで消えてしまった」とは思えない時、霊能力者のもとを訪れる方も多い事と聞きます。


霊媒師は、やさしく皆を迎え入れ、その人の死後の様子を話すでしょう。そして、死者からのメッセージとして「悲しませてごめん、みんなは幸せになってほしい、見守っているよ」などと伝えます。霊媒師がニセモノでなく、霊魂との通信を行っている場合、時に近親者しか知りえない懐かしいエピソード的なことが話されることもあるでしょう。


「消えていないのだ」という安堵感。「見えなくても、傍にいる」という嬉しさ。嘘かもしれない、でも本当かもしれない。どちらにしても自分ではその真偽を確かめることは困難なのでした。



いまどこで何をしているの・・・


大切な人に先立たれてもなお、大切な人の何かが続いていると考える時、お墓やお仏壇に故人の名を呼び続けるのかもしれません。実際は大切な人を失った悲しみを「そこに存在する」と想うことで軽減させているだけかもしれませんが・・・。


死後の世界があると感じている方であれば、大切な人のたましいはどこにあるのか?どこに居るのだろうか?と死者の世界を想い描いてしまうのかもしれません。



大切な存在であればあるほど、悲しみが深いほど、死んだその後のコトについて知りたいと願い、霊能力者のモトを訪ねてみたり、死後の世界について調べているような気がします。


もしアナタが今まで「死=別れ、終わり」と思えないのであれば、霊魂として生きる、死後の世界があるということを知ってほしいと思います。



さらには、人は死ぬまでにすべきコト、知っておくべきコトがあるという現実もあります。多くのヒトがそういうコトを何一つ知らないままこの世を生き、あの世へ旅立ってから多くの困難にあっているようです。


ですから、レイテキな現実や真実を知るということは、自分自身のためだけではなく、いつか訪れる大切な人が死に直面した時に、その人の手助けにもなると思うのです。